コーヒーには大きく分けてブレンドコーヒーとストレートコーヒーがあります。
ストレートコーヒーとは収穫された産地や農園、そしてそのコーヒーのグレード及び等級ごとの特徴を味わうもので、ジャマイカ島産のブルーマウンテンNo.1などは特に有名です。またストレートコーヒーは単品であるため、味の単純さと農作物であるがゆえの味のばらつきは否めません。味に深みを持たせ、安定させる為にブレンドが必要となり、それぞれの単品の美点を生かしつつ、欠点を補うところにブレンドの旨味が作り出されます。おいしいブレンドコーヒーを作る為に、当社では単品焙煎後、つまりそれぞれのブレンド用に焼き上げたコーヒーを焙煎後ブレンドする、「アフターミックス」という大変手間の掛かる手法を守り続けています。
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 当社では2台の焙煎機を使い、全てのコーヒーを焙煎しています。これは日本国内においては最も古くからコーヒーの焙煎機を製造している、富士珈琲機械製作所にお願いして特別にカスタマイズして頂いたものです。まず50kgの釜を備え、バーナー数を通常の2倍以上に増やして排煙バルブの弁の開閉に至るまで全て手動で、焙煎職人の思うままに焼き上げられる様細かい調整が出来る半熱風式のもの。もうひとつはほぼ同じ仕様の60kgの釜となっております。
焙煎の際には約20から30分もの間、200℃前後の熱で焼き上げる訳ですから焙煎後はクーリング(冷却)という作業を行わなければなりません。熱く焼き上がったコーヒー豆に水をかけて気化熱で冷却する方法が一般的ですが、当社では空冷式を採用しています。これは余熱でじっくりと芯まで火が通る事とコーヒー豆表面の繊維が閉じてしまわない様にと考えるからです。ですから当社の深炒りコーヒー(フレンチローストやイタリアンロースト)は焙煎後じわじわと油が浮きはじめます。この黒々としたコーヒーに浮かぶ、しっとりとした油こそが手作りのおいしいコーヒーの証なのです。
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ここで当社の焙煎職人が書いた焙煎についての文章があるので引用してみたいと思います。
焙煎とは、簡単に言うとコーヒーに命を与える作業である。つまり、香り、コク、酸味、苦味などコーヒー本来が特に備えている味、そのものが全て焙煎により決定されるからである。ここで全て、と述べたのは焙煎の良し悪しで味が決定されるからである。いかに焙煎が悪いからといってコーヒーを淹れるテクニックでカバーしようとしてもそのコーヒーは良くなり得ないからである。
焙煎には通常、一般に言われている浅煎り、中煎り、深煎りと3段階に分けられる。しかし、これもさらに細分化すると、@ライト(ごく浅煎り)、Aシナモン(浅煎り)、Bミディアム(中煎り)、Cハイ(中煎りの深煎り、Dシティー(深煎り)、Eフルシティー(ごく深煎り)、Fフレンチ(フランス風)、Gイタリアン(イタリア風)などに分かれる。企業によって名前の違いこそあれ浅煎り、中煎り、深煎りと少なくとも3段階に分けられ焙煎されている。
上記に述べた事はあくまでも豆の煎り具合の時間の経過である。つまり焙煎機に投入された生豆は絶え間なく反転されているうちに10分程度経ると、ろうがかったグリーン色から黄色になり、さらに10分も経ると徐々に茶褐色に変色する(これは生豆中にある糖分が焦げてカルメラ化するからである)。
そして数分もすると弾ける音を立て始める。これがいわゆる第一音と称されているものである。この音はコーヒーの生命が誕生する叫びのようなものである。これは豆の中に十分熱が入り、膨張している状態でだんだんと大きく、パチパチと連続して弾き出します。第一音が鳴り始めてから深煎りまでの約5分間に味そのものが決定されると言っても過言ではない。パチパチという音は連続し、1分間あまりが過ぎると最高潮に達する。この状態が当社で言う浅煎りである。その後は非常に豆の焼け具合は加速され、数秒ごとに茶褐色の色の差がはっきりとしてくる。最高潮に達した時の弾ける音は徐々に弱まり、不連続的になり、そして音は静止する。この段階が中煎りである。そして2〜3分もするとまた細かくパチパチパチと早く弾ける音がする。これがいわゆる第2音と称されるものである。この段階が深煎りの合図である。ここまで来ると一層茶褐色の表面に艶が増し、紫がかった色を帯びてくる。この状態にくる間には火力の調整や焙煎機の中の煙の調整を随時行っている。どの程度の熱で焙煎されているかと言うと、当社の場合はほぼ最終的には210℃前後である。第一音は、豆の膨張で内部が裂けていたが、第2音では、表面が弾け出す。この間、上に記した様に約5分間刻々と変化する中にコーヒーの生命が息づくのである。すなわち第1音の段階では、産地別コーヒーの総てが多かれ少なかれ酸味を持ち、第2音は酸味が苦味に変化するのである。
著名な諸先生方が本で、産地別の特徴などを述べているが、それが全てではなく、時間の経過と共に刻々と味そのものが変化しているものである。『私に言わせてもらうなら、そのような本ほど当てにならないものはない。』ひとつの目安として味の特徴を憶えるのは良いが、それが全てだと思い込むのは極めて危険である。何故ならば、当社の単品コーヒーと、同一の産地名のコーヒーをデパート、小売店などで買い求めてみれば味の違いがはっきりと判るに違いない。
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さてここで『ブレンド』に話を戻したいと思います。ブレンドとはコーヒー焙煎会社の考え方が最も表れやすいと言われています。ブレンドを考えるときに、まず大切な事は『何を中心に配合するか』という事です。
中心にする豆の第1条件は価格もさる事ながら品質が長期間安定している事と、生豆が常に安定供給される事です。どんなに味が優れていても、途切れ途切れの入荷ではブレンドの中心には適していないのです。つまり、生産量が世界第1位のブラジル、第2位のコロンビア等の豆がブレンドの主体を担うようになります。これらは、品質、価格、供給においてある程度安定しているからです。当社においては、このうちマイルドコーヒーの代表とも言われるコロンビアをほとんどのブレンドのベースとして考えています。このコロンビアにエイジングをかけたときの熟成度合と焙煎度合により様々なブレンドコーヒーを考える事が出来ます。また、当社のブレンドコーヒーの中には必ず少しだけのニュークロップ(新豆)を配合します。これはニュークロップ特有の酸味と強さはブレンドに必要だと考えるからで、エイジングクロップとニュークロップをうまく使うところにブレンダーの技術があります。 |
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